9月4日に関西を中心に大規模な台風が通過しました。
その結果当日昼〜2日後の昼までの3日間に停電を体験したので、その間に役に立ったものや気持ちの変化などまとめてみたいと思います。
もくじ
正直台風なめてた
私は台風といえば「わーい警報が出て学校が休みだー」ってくらいのイメージしかない温暖な瀬戸内育ちです。
「大型の台風がくるらしい」と耳にしつつ、「どうせ今回も大したことないっしょw」とコロッケだけ買って特に備えもしていませんでした。
関西各路線の運休決定によって、夫の仕事の休みも前日に決定して「休みだー明日何する?」とワクワクしていた前日。
当日の朝は普通に宅配便が届いたりとまったり過ごしました。
そしてお昼頃、テレビで台風情報を見ながら家族みんなで昼食を食べていたところ、停電しました。
すぐに復旧すると思っていた
インフラの強化のおかげか、ここ数年は停電自体が随分減ったようです。
小学生以来の停電でした。
そんな子供の頃でも、停電してもだいたい数時間で復旧していたので、「夜には復旧するだろー」と、のんきに構えて食後は家族みんなでお昼寝。
お昼寝から起きた夕方には台風が過ぎ去っていました。
保育園のママ友LINEグループの未読をズラーっと読むと「バス停が飛ばされた」「家の前の電線が切れた」と台風一過の惨状が生々しく呟かれていました。
ご近所さんと話した内容、ママ友LINEグループの情報を総合すると、同じ区内でも通電しているところ、停電しているところがバラバラのようでした。
日も暮れきった夜、「電線が切れたらしいから、復旧には時間がかかるんじゃないかな」と夫と話しつつ暗い部屋に、Twitterで以前知ったペットボトルライトを設置しました。
ペットボトルの光によって薄ぼんやり明るくなって、すこしほっとしました。
幸い、ガスと水道は問題がなかったので暗い状態で簡単に夕食を作り、まだ暑い時期だったのでシャワーでサッと水浴びをして就寝しました。
こんなことを思いました。
- 台風が来る前にご飯を炊いておけばよかった
- 色々なものをフル充電しておけばよかった
- 明るいうちに夜の対策をするべきだった
- 冷凍庫でペットボトル凍らせて保冷剤にすればよかった
でももう起こってしまったことはしょうがないので、この後悔は次回に生かしたいと思います。
停電すると何がどうなる?
停電によって実際に自分の身に起きて体験して感じたことを書き残したいと思います。
「当たり前やん」ということでしかないのですが、実際に体験して感じるっていうのは大きく違うものだなと思いました。
明かりって本当に大事
暗いので、部屋を移動するたびに無意識にスイッチをカチッとやってしまいます。
そのたびに「あ、停電中だった」とメンタルに小傷がつきました。
しかし、目が慣れてくるのと、暗い状況にも慣れてくるので、スイッチカチは2日目の夜はやらなくなってました。
暗いと子供が怖がるかと思いきや、3歳の息子は懐中電灯を持って「息子くんがみんなを守るからな!」とても楽しそうでした。
1歳の娘も暗い中平常通りニコニコしていて、楽しげな子供たちに救われました。
家電製品が使えない
冷蔵庫
『開け閉めする回数を減らして冷気を保つ』という防災知識を参考にしました。
涼しくなってきた時期だというのもあって、冷蔵庫は12時間くらいは冷たい状態をキープしてくれましたが3日目の朝にはもうただの棚でした。
アイスは直後にみんなで食べて、冷凍食品は2日目の夜に溶けかけの状態になっていました。
冷凍食品はお弁当用の自然解凍のものはそのまま食べられました。
溶けた冷凍チャーハンはフライパンで炒め直し、他のものもフライパンにお湯を貼って蒸したり、スープにぶち込んだりで腐る前になんとか食べることができました。
冷凍していた生肉も復旧した3日目の昼には柔らかくなっていたので、通電後の晩御飯にしました。
スーパーで保冷剤を買ってきて冷気をキープした、という人もいたようです。
洗濯機
台風一過のあとは街は災害の爪痕のなか通常運転がはじまりました。
夫は仕事へ、子供達は保育園へ。
洗濯機が使えないので、家族4人分の洗濯物がハイスピードで溜まっていきます。
3日めにして「復旧に時間がかかるかもしれない」と認識したので通電しているコインランドリーに行って洗濯物を一気に片付けました。
(帰宅したら通電してたのですが、家族4人、3日分の洗濯物の量的にコインランドリーに行って正解でした。)
お風呂に入れない
ガスと水道は通っているのですが、給湯器の電源が入らないのでお風呂に入れません。
幸い、まだ少し暑い時期だったので水浴びで済ますことができました。
とはいえ水では体が冷えるので、子供たちはサッと垢がたまりやすい部分だけ洗いました。
2日目の夜に我慢できずシャンプーしましたが、ドライヤーが使えない事実に凹みました。
地味に削られるメンタル
家が暗いこと、家電製品が使えないことを認識するたびに小さくショックを受けました。
日当たりのいい部屋で爽やかに目覚めて「あれ、なんだっけ…そうだ、停電しているんだ…」と鋼メンタルの私ですら落ち込みました。
停電程度だったので軽い落ち込みで済みましたが、避難所生活になった場合にはものすごく心身を消耗するだろうなということが想像できました。
防災グッズにおもちゃなどの娯楽品を入れるというのはすごく大事なことだと感じました。
役に立ったもの
なんとなくで備えておいたものがかなり役に立ったので、日頃の備えは本当に大事なんだなと実感しました。
私が準備しておいて役に立ったものを紹介します。
大容量モバイルバッテリー
情報収集、検索、連絡、息抜きにと災害時には必需品のスマホ。
スマホの充電切れはなんとしても避けたいのでモバイルバッテリーを購入していました。
フル充電の状態で置きっ放しにしていたので、ポケットWiFiの充電、スマホの充電にと大活躍しました。
しかし2日目には既にバッテリー自体の充電切れ…。
その後複数用意するようになりました。完全にトラウマ。
さらにアウトドア用のソーラーチャージャーを買い足しました。
手巻きラジオライト
防災リュックの用意をするときに、なんとなく便利そうだなと思って購入しました。
停電のみだったので、とにかく明かりが欲しいのと充電が消耗していくことがストレスだったので、手巻きで済むタイプはとても心強かったです。
ラジオは、情報収集としてもですが夕食時に無音である辛さを和らげてくれました。
手巻きでの充電は難しそうだなと判断して、懐中電灯、ラジオとして活躍してもらいました。
日頃の防災知識が役立った!
こういった災害の際にTwitterでは様々な防災情報が飛び交います。
以前何かの折に目にした「ライトの上に水の入ったペットボトルを置くと明るさが増す」という情報にはかなりお世話になりました。
あと、「白いビニール袋を膨らませて懐中電灯の頭につける」のを試すと明かりが柔らかくなってよかったです。
さらに、今回は台風で雨戸がないことがとても不安だったのですが、「窓ガラスに養生テープを*のかたちに貼ってカーテンを閉めて窓から離れる」という知識を得ました。
↑養生テープってこういうやつです。ホームセンターでも売ってます。
いざというときに慌てないために、防災知識の本などを読み返しておきたいなと思いました。
知識がある、ということは実際に役に立つのはもちろん「どうすればいいのか知っている」という事実が、非常事態でも自分の精神を安定させてくれるなと思いました。
子持ち世帯は懐中電灯は複数必要
防災情報には流れてこない、私が今回学んだことをお伝えしたいと思います。
子供が懐中電灯を持ちたがるということです。
奴らははしゃいで照らしてチッカチッカ点けたり消したり、非常用のサイレンを鳴らして喜んだ上に貴重な明かりをどこかに置いてきます。
なので、懐中電灯は複数用意しておくことを強くおすすめします。
非常事態で自分自身も気が立っている状態で、子供に対して明かりの重要性を説明するのに時間と精神力を割くよりも子供の人数分ライトを用意しておいた方がよっぽど楽です。
いくつか用意しておくことで子供に気楽に渡してしまうことができますし、非日常を楽しむ姿から元気がもらえます。
防災用品はあって損なし
今回、「なんとなく買っておいた防災用品」が実際にとても頼りになったので、積極的に備えをしておく決意ができました。
停電対策の充電式LEDライト
明かりは大事だと痛感したので、LEDライトを買い足しました。
防災対策はもちろん、アウトドアでも使える製品を選びました。
防水、50時間連続点灯、ライトとしてだけでなくモバイルバッテリーとしても使えます。
届いたのでレビュー書きました!
蓄電池&ソーラーチャージャー
スマホの電池が切れると情報も遮断され、娯楽もなくなってしまうので充電できる備えはとても大事だと感じました。
なので蓄電池と、電源がなくても蓄電池に充電できるソーラーチャージャーをセットで購入しました。
台風が来る前に備えておきたいこと
無防備な状態から、台風で3日間停電を体験して災害がやっと自分ごととしてリアルに感じられました。
それ以来台風や地震に対して、防災リュックの他自宅での被災対策として直前でもやれることをまとめてみます。
- ペットボトル水を冷凍庫で凍らせておいて停電時の冷蔵庫の保冷剤に
- モバイルバッテリーフル充電
- ガソリン満タン
- 避難所に行く際は子供の服にガムテープで親の連絡先を貼っておく
- 台風直撃前にその日の夕食までは用意しておくのもいいかも
- 停電したら明るいうちに夜の対策を考えておく
水や缶詰、レトルトなどは普段から使うようにローリングストックのかたちで備蓄をしておくのが良いそうですね。
電気ガスが止まってもカセットコンロとガス缶の備蓄があれば、溶けた冷凍食品を加熱して食べることもできます。
水道が通っていれば、気兼ねなくカセットコンロでラーメン、パスタも茹でられます。
水道が止まっていたら飲料水の確保のためホットケーキ等で対応できそう。
台風による停電を体験して学んだこと
今回の3日間の停電は、平穏な瀬戸内気候でのんびり暮らしていた私の初めての小さな『被災体験』でした。
神戸出身なのですが、阪神大震災のとき激しい揺れは体感したものの私の住んでいた地域は大した被害がなく、電気ガス水道に困ることはありませんでした。
東日本大震災も、その1週間くらい前に東京から関西に引っ越していたため遠くから心配するのみ。
遠くで起こる災害や非難の状況をぼーっと眺めてなんとなく防災用品を買い揃えてみたり、持ち出しリュックを用意していただけでした。
実際に3日間の停電を体験して「困る」だけでなく、日常と違うということ、「困っている」ということこそが地味にメンタルを削ってくるということがわかりました。
気持ちを安定させるためには防災の事前知識と準備が本当に大事だと体験を持って実感できたので、日頃の防災意識を高めていきたいと思います。
という100万回くらいどっかで見たようなシメになりましたが本当に日頃の防災意識ってヤツが大事だな〜と思いました!