夫の謝罪によって『泣きながらワンオペ育児をしていた私』が成仏したかもしれない




少し前に「泣きながらワンオペ育児をしていた私が成仏しない」というツイートが話題になりました。

ここにまとめられている方の他にも、現在も泣きながらワンオペ育児を続けている方はもちろん、喧嘩や話し合いを重ねて同居の男性から一緒に子供の世話をする父親に変わってくれても、時々どうしてもフラッシュバックがあるというツイートが並んでいたような記憶があります。

夫婦喧嘩を重ねていい父親になってくれた夫

息子が一歳半になる頃に夫に対して大爆発、家出をしてそこからやっと話し合いがスタートしました。

たくさんの喧嘩や話し合いを重ねて、今では家事も育児も当事者意識を持ってくれるようになりました。

おかげで今は私も子供を可愛いと思えるようになりました。

試行錯誤した結果、我慢や不満を溜める前に伝える手段も増えてきて、夫側も私の意見を聞く体制を少しずつでも作ろうとしてくれています。

普通に、淡々と毎日父親として、パートナーとして夫に感謝しています。

しかし、変わってくれたのに、今の夫の行動には感謝をしているのに、どうしてもどうしても「前は本当に酷かった」という気持ちが捨てきれません。

産後の恨みは一生もの?

「産後の恨みは一生言われる」「産後の記憶力は強い」という言葉をよく耳にします。

しかし、私としては、一生言いたくありませんし、辛い記憶なんて出来るなら忘れてしまいたい。

結婚する程大好きで尊敬できる人と、今!気分よく過ごしているのに昔のことを持ち出して気持ちがモヤモヤするのは本当に辛いものです。

夫が協力的になっても育児がずっと「辛い」

現在はさしあたっての不満はないのに、心の中にずっとそんなモヤモヤがありました。

産前思い描いていたような育児を楽しむという姿勢をとることができず、大変だ、辛い、楽をしよう、と『可愛い子供と楽しく過ごす』よりも私は自己救済ばかりを優先してしまっているように感じていました。

育児は大変だし辛い面がある。

それは事実でありそう感じるのは、人間として親として間違ったことではありません。

だからといって、私は「育児は辛い、大変だ」と思ってばかりの母親で居たいわけでもありません。

私は夫を許していなかった

しかし実際には「辛い、大変だ」と言ってばかりになってしまっています。

その原因は何なのか。

考えに考えに考えて自分の深いところまでたどり着いてみました。

すると、泣きながらワンオペ育児をしていた私が「どうしても夫を許せない。なんで私だけ…2人の子供なのに…」とやっと寝た子供を置く事もできず暗い部屋で独り、寝不足の顔ですすり泣いているままになっていることに気がつきました。

いくら「もう大丈夫だよ、あの人は今は朝から笑顔で子供の着替えを服選びから自分でやってくれるし、言わなくても時間を見てお風呂の準備をしてくれるよ。」と伝えても

「私が夜じゅう息子の夜泣きに付き合って、朝になってやっと起きた夫に『20分だけ寝かせて』と言うと『酷いお母さんだね〜!』と言われた。

あの人は子供の寝る時間よりも自分の煙草の休憩を優先して、食事もお風呂も遅くなって0歳児が寝るのが夜の12時になっても気にもしていない。

朝私が子供の着替えや朝食や弁当の準備で動き回っているのに不機嫌そうに自分のコーヒーだけ入れて煙草を吸って出勤してゆく」

と恨み言が止まりません。

私のなかにこの『泣きながらワンオペ育児をしていた私』が居る限り、一生忘れずに事あるごとに大好きな夫に嫌みを言い続けるのかと思うとうんざりしました。

どうすればこの私は成仏してくれるのだろうかと考えて、夫に謝ってもらえば気がすむかもしれない、と思いつきました。

夫に謝罪をお願いしてみた

そして先日、また私が現在と過去を比較してポロっと嫌みを言ってしまい険悪な雰囲気になりました。

いい機会だ!と思い意を決して「息子が1歳半になるまでの自分の行いについて謝ってほしい」と伝えてみました。

夫は最初「前にも謝ったのに!」と言い張っていました。

「申し訳ないが私には謝ってもらったという記憶がない。覚えていないということは一度謝ってもらったくらいでは忘れられないほど本当にあの日々は地獄で、それに協力しなかったあなたを許せていないから今もう一度心から謝って欲しい。」

とお願いしたらやっと「…ごめん」と言ってくれました。

その瞬間、涙がごんごんと溢れてきて大人になって久しぶりに人前で嗚咽を漏らして泣きました。

寝ない息子を背負って夜中に1人、部屋を片付けながら寝付くまでの時間を潰した私。

寝ない時間にテレビをつけるとやっていた深夜番組。

夜中にオムツがきれてお店の開店時間に合わせて雨の中抱っこ紐で出ていったこと。

息子を可愛いと思えなくて申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、呆然と息子を見つめていた自分などが駆け巡り、長い時間泣き続けました。

「謝ってくれてありがとう。」と夫に告げて就寝、翌日かなり心が軽くなっているのを感じました。

謝ってもらうことで気持ちが切り替わった

その週末は夫が激務で土日ワンオペだったのですが、帰宅したときに笑顔で迎えることができていました。

これまでは「仕事だけしとりゃあええっちゅうのはいいご身分ですのう!オドレの仕事のせいでワシが負担被っとるんじゃ!ようわかっときやボケナスが!」という空気をどうしても醸し出していました。

(口には出さないものの、能面顔でのお出迎えになっていました。)

でも、その日は子供たちと楽しく過ごしながら素直に「育児も大変だけど仕事も大変だよね、おつかれさま。」という気持ちになっていました。

その翌日、私1人で子供達を連れて動物園にでかけて(用事や約束ではない純粋なワンオペお出かけは初!)子供達と、夫がいない日曜日を楽しむことができました。

育児が辛い原因のひとつは自分の意識にあった?

夫がいくら協力的になっても私が育児を楽しむことができていなかった原因のひとつに「私の育児は辛くて大変でないといけない。」「楽しんでいる姿を見せたらまた全部押し付けられる」という恐怖があったように思います。

子供が出来てまるっと変わった生活の負担を全て私に押し付けて、当然のように産前と同じように自由に過ごしていた夫が宇宙人に思えていた日々から脱出するためには様々な試行錯誤が必要でした。

『育児の大変さ辛さを知ってもらう』ところから働きかけを始め、長い時間をかけて夫は家事育児に当事者意識を持って取り組んでくれるようになりました。

そのせいで、夫が変わってくれてもなお私は自分から「協力を仰ぐためには育児は大変で辛くないといけない」と、大変で辛い方向にわざと意識を向けていたのかもしれないな、と気がつきました。

夫はもう「育児は1人でやるとすごく大変で辛い」ということを知ってくれているはずなのに、それを信じることが出来ていなかったのは私の方でした。

だから、いつまでも「大変だ、辛い、だからあんたも荷物を持って!」ととっくに一緒に荷物を持っている夫にアピールし続けていたように思います。

きちんと言葉で謝ってもらえたことで、「骨の髄まで育児の大変さ辛さを思い知らせてやる!親なんだからお前も一緒に苦しめ!」と血の涙を流しながら夫を呪い続けていた私の一部は成仏してくれたのではないかなと思います。

これからは、変わってくれた夫と共に子供と過ごす時間を楽しんでいけたらいいなと心から思います。