以前、夫が家事育児に当事者意識を持って取り組んでもらうまでの戦いを以前、朝日新聞で記事で取り上げて頂きました。
※現在はWEB公開は終了しています。
そのときの記事タイトルとして『覚悟の一言』というものがありました。
もくじ
父親としての自覚がなく、自分の必要性を理解していなかった夫
記事タイトルに使われた『覚悟の一言』とは、夫に伝えた「家族で楽しく暮らしたいのは2人とも一緒のはず。あなたが必要」という言葉だと思います。
この『私にはあなたが必要!』という言葉をオットに伝えたときめちゃくちゃ驚いていたのを思い出します。
私としては、ずーーーっと「あんたがおらんと大変すぎんねん1人じゃきつすぎるねん頼むから使えるようになってくれや!」と訴え続けていたのに『あなたが必要』とは全然伝わってなかったんですよね。
まじかよ。
どうしてそうなった。
と当時内省に内省を重ねて伝え方のせいではないかと考えてみたんですが、まず夫側が聞く耳を持ってなかったというのも大きいと思います。
父親としての自覚がない夫には何を言っても届かない
この記事のなかで犬山紙子さんが「男の人は、女の人が話し合いを持とうとしても流しませんか?」とコメントしています。
本当に、話し合いのテーブルにまずついてくれない。
関係が最悪だった当時は、『解決したい問題があるから話し合おう』と落ち着いて伝えても、「これから寝るのにそんな話やめてよ」「ご飯の前にやめてよ」「朝からやめてよ」「休みの日なのにやめてよ」と逃げられまくりでした。
夫が逃げるのは当然です。
なぜなら逃げ回っている限り、自分は家庭で何もしなくていい、責任もとらなくていい、ひたすらに楽なポジションをキープできるからです。
落ち着いて話したいのに、こちらが冷静な限りその場しのぎの言い訳をして逃げ回る夫。
じゃーーーいつ話せばええねん!!いつやったらお前は話聞くんじゃ!!!
ともう夫側の体制が整うのを待つなんて無視してブチ切れて泣きながら怒鳴る日々。
そして喧嘩に喧嘩を重ねてゆき、反論できず、しかし自分の楽な立場は崩したくない夫は家具を破壊しての大暴れ。
言葉で反論ができないなら、力で押さえつけるという短絡的な行動に出ました。
夫は体が大きく、本気を出せば私を殺すこともできます。
「考えすぎ」ではなく実際に日本では3日に1人の妻がDVで殺されています。
暴力に屈した姿を見せてしまうと、その後どんどんエスカレートしていくことが想像できました。
私は暴力に怯えて自分の気持ちを発言できなくなることは絶対に嫌でした。
そしてもちろん殺されたくないので、エスカレートしてゆくだろう暴力を容認するわけにはいきません。
父親としての自覚がない夫からのDVを発展させないために家出を決断
その日、朝から勃発した喧嘩に対して、反論ができない夫は暴れ狂って出勤していきました。
壁に穴が空き、ドアを外され、テレビは床に落ち…ぐちゃぐちゃの家からDV相談窓口に電話をしました。
相談員の人は全くアテにならない感じでしたが、話しながら頭を整理しました。
まず、暴れ狂った後の状態の証拠写真を納めました。
そして、安全に配慮した上で抗議を続行するために息子を連れて実家に家出をしました。
実家から電話して初めて「わかった。話し合おう」という言葉が引き出せました。
電話越しでは暴れて喧嘩を終了することができませんからね。
家出もされている上で電話を切ったりしたら離婚まっしぐらなことはさすがに想像できたんでしょう。
父親としての自覚がないまま、話し合いに応じるまでが長過ぎる!
私は産後すぐからずっとあらゆる方法で「1人で全部やるのは無理だ。辛いからあなたも協力してくれ」と伝え続けていました。
冷静に言ったり、怒鳴ったり、泣いたり、手紙を書いたり、間に友人を挟んで伝えたり、本を渡したり…。
それでも家出をして話し合いの確約をするまで、夫には全く届いていませんでした。
息子が生まれたのは冬で、話し合いに応じてくれた頃にはもう翌年の夏が終わろうとしていました。
SOSを出し続けて、夫が話し合いに応じるまで1年半。
1年半!!!
1年半もの間、産後ボロボロの肉体で、慣れない育児に1人で奮闘し、家事育児をやり、夫を労い、喧嘩して…同じ家の中で必死に救命信号を出しながら、夫がこちらを向いてくれるのを待っていました。
帰宅しての話し合いの場では作成していた家事育児の時間ごとのやることリストを見せました。
子供の着替え、朝食準備、お弁当、洗濯機を回す、干す、取り込む、たたむ、しまう、離乳食のストック作りや買い出し、夜泣き対応…ゴミを集める作業や生活用品のストック管理などの見えない家事も思いつく限り羅列しました。
そんなあらゆる家事育児の中で、夫がやっていたことは
- 自分の朝のコーヒーを入れる
- 自分の身支度を整える
の2点のみでした。
あまりにも不公平なリストを見て夫は言いました。
「こんなにやることがあるんだね、大変なんだな・・・」
いやおまそれまじかよほんま頭に花飛ばして気楽に過ごしてたんやなどん引きやわという言葉を飲み込んでやっと知ってくれた事実を噛みしめました。
そして同時に、夫が聞く耳を持たない限り、こちらのメッセージが全く届かないことに愕然としました。
父親としての自覚がないことを知り、やっと私の話を聞く耳を持った夫に伝えた言葉
そして、初めて話し合えた日からすぐ、前々から計画していた結婚記念日(息子は託児利用)のデートの日がやってきました。
我が家は結婚指輪は購入していなかったので、新たな気持ちの決意表明のためにこっそり指輪を準備しておきました。
その日、準備していた結婚指輪を渡しながら
「私には、夫が必要。2人で楽しく暮らせるように協力していこう」
と伝えました。
それに対する返事は完全に予想外でした。
「そうなの!?そうだったの!?僕なんかいない方がいいと思ってた!!」
と驚く夫。
なんと…私が「辛いから助けてくれ」と泣いて叫んだ日々は、夫には「お前なんかいない方がいい」というメッセージに受け取られていたのです。
冷静に協力を求めている間には「冷静だから大丈夫大丈夫〜♪あーうるさ〜い」と言葉は耳に届かず、泣いて叫んでブチ切れると言葉は聞こえず「怒られた!」としか認識されていなかった…。
そして、嫌みや喧嘩では全然真意が伝わらないこと、「なんで私ばっかり」と味方を敵にしてしまっていたのは私の方かもしれないと気づきました。
父親としての自覚がなかった夫が少しずつ『父親』になっていった
その日から夫の家事育児への態度と取り組みは驚くほどがらっと変わりました。
夫は、『精子提供者である同居人の不機嫌な男性』から『父親』への階段を上り始めました。
そこから私も改善点を伝えるときは、『お前なにサボってんねんしばくぞ』ではなく『あなたが必要!だから変わって!』をメッセージにするようにしました。
話し合いが出来るときもあるし、やっぱり聞こえないフリをして逃げられて、耐えきれず喧嘩になることもあります。
それでも、「家族から必要とされていない、いない方がいい」と間違った認識をしていた夫が「僕は家族に必要とされている、重要な存在なんだ」と知ってくれているので不毛な争いで終わることはなくなりました。
よその家庭にどうこうは無粋なんですが、配偶者との関係に悩んでいる方は「あなたが必要」というメッセージの上で「変わってほしい」と伝えると何か変わるかも・・・とかウエメセアドバイスでまとめようとしそうになりましたが、そのメッセージの聞く耳持たすためにヒステリー起こして大喧嘩して無理矢理こっち向かすしかない、落ち着いて話せない状態になるまで話し合いから逃げ回るタイプの配偶者が目を覚ましてくれる念を送っておきます。
夫婦で話し合えば解決に繋がり関係も改善していくのにまず話し合いのテーブルにすら付かず逃げて『フラリーマン』化して自ら立場を追い詰めて「家に居場所がない」とかどの口で言ってんだ。家は店じゃないから客モードじゃ居心地悪いのは当たり前なんだよ一緒に運営できなきゃそりゃ邪魔扱いされるよ。
— かざり@ご機嫌&筋トレ (@kazarigiri) 2017年12月1日